新しい家族

震える手が勝手に自分の連絡先を打ち込んでいた。

家族に相談しないまま、wendyわんこに声をかけて
ドキドキする心を打ち明けていた。
wendyは真っ黒な瞳で、うなずいてくれたような気がした。
帰って来たオットにまずは打ち明ける。
彼もまたこのサイトを見て嗚咽を漏らした。
「いいんじゃないの、僕たちに出来ることだと思う」
次に息子にも言ってみた。
「ええやん、飼ってやろうよ」

彼らが反対しない事はわかっていた。
同じ気持ちを持ってくれる事はわかっていたから、勝手に決めたのだと思う。

コレが先週の木曜の出来事。　

　
　
　
そして土曜日。
午前中にark-angelsから電話が入る。

「お迎えに来ていただけますか？」

週末だから、もちろんOKだ。

１時に広島を出るので診察含めて、９時過ぎに。　と言う約束。

そこからは、夫婦二人とも落ち着かない･･･
何か要る物はないだろうか？
持参するものを聞くために電話してみた。

「今日の子は２匹一緒に預かってくれる事になったので、明日の子をお願いできますか？
日曜日は病院も遅くまでやってないので月曜のお迎えでお願いします。」
話がかみ合わない。
今日のキャンセルの電話はもらってない。

一度電話を切る。
オットに報告しながら９時にその子たちのお迎えがなかったらどうしよう？！
と不安になる。
しつこいようだがもう一度確認することにした。
大丈夫、今日の子はちゃんと預かり先が決っていた。
そして我が家は日曜夕方発の便で帰って来る子となった。

昨日お昼にまた電話があった。
「今日の９時のお約束ですが、遅れますので１０時でお願いします」
明日だと思っていた。　オットは琵琶湖に釣りに行ってしまっている。
早速電話で呼び戻す。

　
本当に大変な状況なのだろう。
全てボランティアなのだ。
もちろん仕事は、この子達のレスキューだけじゃない。
皆が同時に色んなホストファミリーに打診しているのだろう
状況が混乱しているのがよくわかる。
私たちはただ預かるだけでいいのだろうか？
人間のエゴでこうなってしまったこの子達。
具合が悪くても、つらくても、犬は訴える事も自殺も出来ない。　

息子にはサイトの事を言ってなかったけど
お迎えの前に先住犬のwendyをお願いした時に言ってみた。
彼はこういうことには繊細なので、どうだろうか･･･と思いながら。

ワタシたちが不在の間に見たようだ。
余りの悲惨さに「ちょっとしか見れんかった･･･」と言う。
いいんだよ、そんな劣悪な状況に居た子だと言う事をわかっていてくれたら。

不安と逸る気持ちを抱えながら大阪に向かう。
事務所に入って、愕然とする。
先陣で帰って来た子達。キレイにしてもらっているけれど
みんなガリガリで、極度の栄養失調だ。

今日の便は代表の帰阪便だったので、出来ればお話を
お聞きしたかったけど、毎日の作業にお疲れだろう。
お会いする事は出来なかった。
迎えてくれたスタッフさんに「頑張ってください」としか言えない
自分達が不甲斐なかった。

お体壊さないよう頑張ってください

　
　
そして我が家に迎えた子。

なんて痩せてるんだろう。
つぶらな瞳が、涙に濡れているような気がした。

いつから洗ってないのか･･･
かなり毛ももつれてしまって臭いもある。
帰宅後wendyと対面して、バリケンの戸を開けておく。
そぉーっと外に出てくる。
それでもみんなで知らん顔してやると、冒険開始。
リビング・キッチン・客間・洗面所。
いきなりキッチンでウンチ（笑）
とにかく小さな歩幅で探検、探検。

そぉーと付いて歩くと、客間の奥でグルグル回り始めた。

うわぁーおしっこだよっ！

間に合いません^^;
色々移動しながら、小さな体のどこに入っていたのか
大量のおしっこ。　自然現象だからね、ところかまわず（笑）

お風呂に入れたのはワタシ。
洗いながら涙が出そうになった。
がりがりなんてもんじゃない･･･
骨の感触しかないのだから。
それでもクンとも言わずに、じっとしている。
抜け毛が半端じゃない。
今までは絡み合って抜けてもわからなかったのだ。
乾かしながら、洗いきれるもんじゃないことを確認。
耳の中も垢がこびりついている。
バリケンの中で糞尿にまみれていたのだろう、糞尿も
足などにこびりついていた。

あんまりなので、今日ご近所のトリミングのお店に飛び込んだ。
事情を話すと
「病院行く前にキレイにしようね」と予約もないのに入れてくれた。
予約の３ワンちゃんゴメンね。
近所に動物病院はいっぱいある、ホントに数々（笑）
どこがいいのだろう？尋ねてみた。

その足で一番評判のいい女医さんんのところに行く。

事情を話すと
「しっかり見てあげたいので１日入院で検査しますね」と言われた。

少し悲しい^^;

トリミング中にエサいれやら、リードを買いに走った。
彼女の様子を眺めていたいと思ったんだけど･･･
仕方ないか、元気になってもらうためにもね。

最後になりましたが、みんなが目をそむけないでこの子達を見て欲しい。
助かる事を祈って欲しい。
出来ることでいいから気持ちを分けて欲しいと願っています。